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最初にお知らせ。 2015年8月7日に「ジャワ更紗の美とその技法: ウィ・スー・チュン工房のバティックアート」 が出版されます。ウィ・スー・チュンはバティックの有名な産地のひとつ、 プカロンガンで3代続く、非常にクオリティの高い工房です。 この本の中で紹介されている制作プロセスの解説のお手伝いと、 寄稿文を書かせていただきました。 バティックの写真も美しく、一つの工房に迫った貴重な一冊です。 バティックファンだけでなく、布好き、工芸好きな方にもおすすめです。ぜひご予約ください! 2年に一度開催されるというバティックの大展覧会、 「Gelar Batik Nusantara 2015」へ行ってきた。 東京ギフトショーのバティック版、といった趣の展示会だが、 現在のバティックの傾向や流行、価格の変動などを掴むには、 全体を俯瞰して見やすい展覧会となっている。 今年の傾向としては草木染が増え、 ジョグジャカルタの藍染バティックのお店が大盛況だった。 洋服に仕立てたものを販売しているお店も非常に多かった。 ブースは全部で300くらい、中にはバティックと関係ないもの (アクセサリー、織物、健康グッズなど)もあるのだが、 全部を見て回るには、色の洪水を突き進む体力と気力が必要である。 (二日目にローラー作戦を展開するも、作戦失敗でリタイア) 前回2011年に来た時一番嬉しかったのが、 メインロビーでアンティーク・コレクションの展示があったことだった。 今回もそれを楽しみにしていたのだが、コレクション展示は前回の半分くらい、 代わりに現代バティックのハイ・クオリティなものを紹介する場となっており、 とはいえ、それはそれで見ごたえがあり非常に良かった。 特に良かったのがジョグジャカルタのパクアラマン王宮が制作している新しいバティックで、 Asthabrataという、指導者(王)としてどうあるべきかの教えが書かれた本をもとに 新しく解釈しなおしてデザインされたもの、とのことだった。 元となる本は1800年代に書かれたようだが、編纂し直されたものも出版され、 パクアラマン王宮の意気込みを感じた。 仕事も本当に美しくて、クラシックなスタイルを守りつつ新しいものへ挑戦し、 クリエイティビティの活性化を図る、素晴らしい試みだと思った。 一方、本当に仕事はきれいでキッチリしているのだけど、 堅く息苦しいようなバティックも見受けられ、制作の難しさを実感した。 これは私もずっと課題になっていることなのだが、手描きの良さが出なければ、 ”きれいな仕事”というのはプリントでもいいのではないか、という事だ。 王宮のバティックを学ぶようになって、より一層そのことを考えるようになった。 技術面を支える精神面の立ち位置はどこか、が本当に大切なのだ。 とても曖昧な話になってしまうが、本当に良いバティックはちゃんと語ってくる。 堅く息苦しいと語ってくるバティックも相当のクオリティなのだと思うが、 やっぱり私は、そこにダイナミズムを見たいし、制作者の想いを聞きたい。 労働力を貨幣に換算するということがバティックの世界に入って以来、 (特にそれがビジネスになるとわかって以来)、 ”大変だから高い” ”時間がかかるから高い”という言葉が定番化してしまった。 ちなみに展覧会中、一番高価なもので一枚90万円(新品)だったそうだ。 自分も制作する身としてはとてもよくわかるのだが、 なかなかすごいマーケットになってきているな、と思った。 会場には、2010年に修行をしたCirebonのBatik Katuraのブースも出ており、 先生をはじめ、ご家族の皆さんと久しぶりに再会して本当に嬉しかった。 ジャカルタでは、またRumah Soeaさんにお世話になり、 都会のオアシス的な感じで不慣れなジャカルタにも拠点が出来、安心して行けるようになった。 (お世話になったSさんにも心から御礼申し上げます!) 帰国まであと1か月半、とはいえ、次の滞在予定も見え始め、頭の中はすでに帰国後へ。 今年は結構のんびりしたので、気を引き締めて、助走を始めようと思います。
by cyabon
| 2015-07-02 01:23
| 展覧会
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